5月3日、晴れ時々曇り。奈良崎さんが左沢駅まで迎えにきてくださっていました。うまいくだもの園には、息子が2年前に約1カ月間ファームステイし、大変お世話になったこともあり、奈良崎さんとは、初対面のような気がしませんでした。車でお宅に向かう途中、うまいくだもの園の分園を案内してもらいましたが、今年は記録的に遅い雪のせいで果樹の開花が遅れており、残念ながらメインイベントのりんごの花摘み作業はできそうにないとのこと。でも遅い春のおかげで私たちにとっては、今年2度目の満開の桜を楽しむことができました。
お宅に着いて、まずは自家製のシルバーベルのシャーベットをごちそうになりました。 フレッシュフルーツとはまた違った風味に感嘆。おいしーい! ひとやすみのあと、朝日町りんご温泉へ。まだ雪に覆われた朝日連峰などの山々を見ながらゆったりと露天風呂につかり、夜は家族の皆さんと一緒にビールを飲みながら珍しい山菜料理の数々をい
ただきました。これまた、本当においしい。
5月4日、曇り時々雨。予定のりんごの花摘みができず残念でしたが、そのかわりに時期遅れの山野草が私たちを待っていてくれました。うまいくだもの園の片隅には、かたくりやふくじゅそう、白やうすむらさきのイチゲ、色とりどりのエンゴサク.....
などが群生していて、感激の対面でした。こんなにたくさんの山野草を間近で見て触れることができるなんて思いもしませんでした。なんと可憐でなんとかわいいこと。今まで見た公園や植物園の花壇の記憶が色あせてしまうくらい感動しました。できることなら、そのありかは秘密にしておきたいくらいです。
昼食は、午前中にみんなで採った山菜のてんぷらパーティです。当日合流した方々を あわせて19人が、それぞれが持ちよったおすすめのパンにうまいくだもの園の純愛ジャムをのせてほおばり、純愛ジュースを飲みながら、たらの芽、せり、ふきのとう、よもぎなどのてんぷらを味わいました。ちょっと変わったとり合わせですが、とにかく美味、美味、美味。夕方、こんどは白鷹温泉へ。あー天国!
5月5日、曇りのち晴れ。この日はお花畑づくりに挑戦。りんご畑を切りひらいた約 200坪の花畑をみんなで耕していろいろな花の種をまきました。大きな石や木の根っこ、
雑草を取り除きながら、奈良崎さんの入植当時のご苦労をほんのちょっとだけのぞかせてもらったような.....。いえいえこの何百倍何千倍も(もっとかしら)想像できないくらい大変だったろう、ということだけは理解できました。
一段落したところで、昼食はりんごの樹の下で豪快なバーベキューを楽しみ、あとは心地よい春の日ざしを浴びながらそろってお昼寝。残りの作業を片付けて、早めにみんなで柳川温泉へ。山形には気軽に行けてゆったりできる温泉が多くていいですね。
5月6日、あっという間に最終日です。朝からおみやげ用の山菜採りをしましたが、 くだもの園のいたるところに山菜が生えており、おいしいくだものが農薬に頼らず安全に育てられていることを証明していました。
初めてのファームステイの楽しく心豊かになる思い出とたくさんの山菜をリュックにつめこんで東京に帰りました。家に着いて数えてみると山菜はなんと10種類もありました。少しばかり遅い夕食になりましたが、奥様に教えていただいたとおりてんぷらやおひたし、和え物にして"奈良崎さんちの恵みを幸福感に浸りながらいただきました。
短い間でしたが、くだもの園のいろいろな実例をもとに奈良崎さんが話してくださった樹と根の話や芽の話、そして樹木の生き残り戦略の話などは非常に興味深く、
気づかないところで自然の不思議な仕組みが働いていることを教えられました。以後、 本当に樹木をみる目が変わり、収穫のみを考えた樹と奈良崎さんのくだもの園の力強い
樹との違いがはっきりわかるようになりました。そして私たちは奈良崎さんのくだも のに対するこだわりと情熱、新しい品種へのチャレンジ精神に大いに共感を覚えました。おいしい果実は元気な樹から.....。なるほどおいしいわけです。奈良崎さん、
そしてご家族のみなさん、これからもずっと元気でおいしいくだものをつくり続けてください。また、ぜひお手伝い(というより邪魔しにかな?)に伺わせてください。
最後になりましたが、私たちを家族の一員として迎えてくれたみなさんのやさしさに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
|