欲望

欲望は無いものねだり。
知性で
感性で
本性で堂堂巡り。

欲望は卑屈になって疲れ
喜びを忘れる。
知性で
感性で
本性で堂堂巡り。

豊かな慈愛を受け入れず我が身をかじる。
それは蝋燭とその芯の関係に似ている。
日めくりごよみのようにじわじわと人も思いも細くなる。
幸せは遠くにあると思いさがし求めて私は旅した。
幾度となく引っ越し疲れはて。

破顔一笑。

さがし求めていたのは大自然のふところで営むこの私だ。
気付いてりんごの白い花吹雪に憩う。
私はここにいてこれを営む。
この広大な胸の中で。

旅の空の色
列車の窓に流れる万華鏡の大地と
四季を通して二の脚で立つ土の大地
生きものを育てる空の光 どちらを選ぶか?
知識の豊かさと
生命の豊かさ どちらを選ぶか?
嫉妬と
感謝 どちらを選ぶか?
あがめることと
とけこむこと どちらを選ぶか?
りんごの花の蜜取りに蜂が飛ぶ。
ほのかに紅さす白い花の森の中を
営みの証し 
羽音を震わせて。
1980年脱サラしてうまいくだもの園を
つくった年。長男 武志6歳、長女 洋子
小学2年生、次男 覚太朗3歳
1997年5月同じ場所 りんご花盛り
人の心をなごませるりんごの花
りんごの蜜取りをする蜜蜂