表人は砂の上に砂をるいるいと積んで くずしては積み またくずし 破滅の予感におののき一人よがりの理屈をこねて安堵しようとする。 行き着くところを考える余裕のなさが人々の一致団結を生み出す。 人は多勢に押されて己れの不安をしまいこむ協調という絶妙の機会を見逃さないが 物言わぬ万物の望むことを理解しようとせず 融けていくことと くずれていくことの区別さえ出来ない。 自然をどうやって守るべきか? 繰り返し繰り返しああだこうだと議論は終わらない。 この議論はこころよい。 議論の議論が続き 議論は盛り上がり 人は聖人の境地に酔い痴れて恍惚となる。 そのころ大地は艶やかな姿態を剥がされえぐられ 死に水の酸性雨を浴びせられ 静かに終期の時を迎えようと準備する。 |
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裏
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