うまいくだもの園ファームステイ体験記」No.1
 8月22〜25日までファームスティした高校1年生船橋のM・小夜さんの体験記。  当園では最年少の記録を作りました。めずらしい名前ですが一休さんの妹と同じだそうです。どうりで、明るくて優しく、機転が利いて将来をしっかり見据えているとっても可愛い人でした。息子2人は愛くるしい妹が出来て大満足の4日間になりました。
 桃、りんごさんさ・つがるの葉摘み(実に日光を当てて色付きを良くする。)や桃の根元にシルバーシートを敷く作業と色々仕事をしてもらいました。仕事の合間に、自然や木や草の話をたくさんしました。
 帰ってからも時々メールをくれます。まだ高校生なので来るのに交通費が馬鹿になりませんがいつでも歓迎お待ちしますよ。今度は、いろんな方々と逢えるといいですね。
 体験記  私にとって初めての農業体験。それが奈良崎さんのお宅でできたというのは、とっても幸運でした。  奈良崎さんの家族は皆なかよしで、一緒にいるとこっちも気分がいいんです。生き物(木)を相手に仕事をしているから、人の気持ちを大切に出来るんですね。
 1日目のお仕事は、りんごと桃の葉摘み作業でした。果実に触れている葉をとるんです。(力ないし、背も低いから仕事できなかったらどうしよう…)と少し不安だったけど、私にも出来たのでよかったです。
 くだもの園にはりんご、桃、さくらんぼ、洋梨、プルーンといろいろなくだものがあって、毎日山のようにいただきました。お仕事中にはフレッシュなくだもの、仕事が終わったら自家製の、ジュース・朝食にはジャム・夕食後にはシャーペット。本当にどれも皆おいしくて(わたしって超幸せな人間かも)と思ってしまうほどでした。
 仕事の合間の休憩では、奈良崎さんに木のことを教えてもらいました。一番驚いたのは木は自ら枝を剪定しているという事。もちろんここにあるくだものの木は、冬になると剪定しているのですが、自然に生えている木も、枝を横に伸ばして剪定しているというのです。自然てすごいなあ。
 そして、奈良崎さんが最後までずっーと言っていたことは「短所はいっぱいあったほうがいい」という事。たくさん日光を浴びている大きな木は、影もたくさんあるからです。考えると結構難しいけど、こういう考えもあるんだなあと思いました。
 二日目は桃の木の下に海を作りました。というのは、木の下に銀色のシートを敷くのです。こうすると日光が反射して果実の下にも色が付くというわけです。(手がかかっているんだな)と思いました。この仕事は昨日よりも少し疲れました。それに気づかれてしまったのか、その後仕事を早く終わらせて、皆でドライブ!ということになりました。久しぶりで覚太朗さんも一緒でうれしかったです。車で山道を延々と登っていくと突然温泉が!近くにはりんご温泉や柳川温泉など、いろいろな温泉があっていいですね。  おばさんに背中を流してもらっちゃいました。(ウフフ)その後は皆(とくにおばあちゃん)がオススメの「月山そば」を食べに行きました。…が、残念ながらお休みでした。
 三日目は午後に雨が降ってきたのでお休み。今日のお仕事は雨にお任せ。こんな時、(農業って自然と共にやる仕事なんだなー)と思います。  武志さん、覚太朗さんと一緒にビデオを借りにいきました。車で15分くらい走った時
私:    「(ビデオ屋は)結構遠いんですね。」
覚太朗さん:「えっ!あーまだ半分も来てないよ。(家の近くにある)コンビニらへ んかとおもった?」 
武志さん: 「朝日町にはないから、隣町までいかなきゃいけないんだ」
私:    「…」とこんな会話。んー田舎なんだなーと思いました。 
 この日は覚太朗さんが、2週間東南アジアへ旅に出るということで、お見送り。なんか私がいってらっしゃーいなんて言うと思いませんでした。覚太朗さん、今頃どこを歩いているのかな。無事に帰ってきてほしいなー。《家族みんな心配していましたが、予定どうり元気に帰ってきましたよ。》
 この4日間で山形料理をおばさん(おじさんにも!)たくさん教えてもらいました。おばさんは本当に料理上手です!毎日食事が楽しみでした。秋の味覚の「いもこ汁」をこの真夏にわざわざ作ってくれました。牛肉、里芋、きのこ、こんにゃくといろいろ入っていてとってもおいしかったです。おいしさの秘訣はおばあちゃん手作りの「寿野菜」《当園の野菜づくりは、おばあちゃんの担当なので野菜はことぶき野菜 とよんでいます。》にもあるんです。90歳で元気に畑を耕して、トマト、なす、きゅうり、里芋、とうもろこしまで作っているんです。そのおいしいこと!奈良崎さんたちは毎日食べられていいなー。 おみやげにもいただいて、ありがとうございました。
 この3泊4日で、皆さんと一緒にお仕事をして、生活して、本当に楽しかったです。ずうずうしく家族のように仲間入りさせてもらいました。将来は山形に住みたい!ですね。とってもとってもいい所です。また。お金を貯めて会いにいきます。  小夜
 8月25〜29日にファームスティした京都の大学生K・真帆さんと大阪の高校生Y・悠子さんの体験記です。悠子さんはうまいくだもの園の自然と樹の話の中のおたよりで載っている人です。M・小夜さんに続いて、同じ高校1年生、若い女性は男らしい。(これはほめことばです。)みなさんの将来が本当に楽しみです。
 お二人には、途中雨に降られましたが、桃の葉摘みをしていただきました。
 K・真帆さん  すべてがはじめてのことだったので1から教えていただき、とても貴重な体験ができました。迷惑をかけたかも知れませんが本当に楽しかったです。奈良崎さんの家に ファーム スティができたことは本当に幸せで誇りに思います。  私にファームスティをする機会をつくってくれた姉崎夫婦や悠子ちゃんに感謝し、また突然なことにもかかわらず受け入れてくれた奈良崎家の皆さんにも大いに感謝します。また機会があればぜひ来たいです。本当にありがとうございました。 

 体験記  99.8.28 Y.悠子さん ここへ来て4日目。ふだん生活する中ではなかなかできないこと をさせていただきました。来て良かったとすごく思います。  桃の葉摘み作業はとても楽しく始めるとなんだか手がとまらなくなりそうでした。 雨に降られたのは残念でしたがおいしい桃がいっぱい食べられましたし、さくらんぼ、シルバーベル、りんご、他にも色々なものを食べさせてもらいました。本当に幸せです。  米のとぎ方もしっかり教わったし、家でもおいしいご飯炊きます。  ここへ来ることを誘ってくださった奈良崎さん、連絡をとってくださった恵美さん、本当にありがとうございました。  ここでの生活は私を又、少し大きくしてくれたと思います。家に帰ったら、さっそく友達に自慢しなくては…  又、必ず来たいと思います。その時は、よろしくお願いします。 


 

作業中の浩也さん
K.浩也(こうや)さんのファームスティ体験記 
 平成10年3月1ヵ月間ファームスティをした鳥取大学生の小松さんから1年ぶりに体験記が届きました。
 当時、1年生。現在、鳥取大学2年生サッカー部のキャプテンをしていて充実したいそがしい日々を送っているそうです。
 解け始めた雪の園地、剪定で切り落とした枝の片付けをしてもらいました。
 ムチのようにしなやかで、浅黒く精悍な心優しい190cmの猛者です。『アフリカの砂漠を緑に変える』という地球規模の夢をもっています。
平成10年3月1ヵ月間
 100歳まで生きるとすると、月で言えば1200ヵ月生きるとすると、なにげなく過ごしている1ヶ月という時間は人生の1200分の1にあたります。その1ヶ月という長い時間を奈良崎さんのご家族にお世話になり、いろいろなことを学ばせてもらいました。
 僕の常識から見て一風変わった生き方をする彼の話はす べてにおいて新鮮で、言葉につづるのは難しいのですが僕自身の中で確実に生きる上での教訓となっています。 僕は現在、大学の農学部に在籍していますが、それが理由で、つまり果樹園芸の勉強をするためにここを選んだのではなく、マンネリ化した日常を変えるための手段として、インターネットでたまたま見つけた場所に1ヶ月を費やそうと決めたのです。奈良崎さんには申し訳ないのですが、ホントのところは1ヶ月間見知らぬ場所で過ごせるならば、どこかほかの国や、国内を点々とする旅などでも一向に構わなかったのです。でも結果的にこの選択は大成功だったわけで、大学の1年間で学んだことよりも多くのことを学べた気がします。
 僕の滞在した期間はまだ雪の残る3月の1ヶ月間だったので、何一つとして果実のなっている木を見ることはできず、もっぱら剪定という作業を手伝って毎日を過ごしていました。剪定というのは将来を見通した強い木を作るため、またその年になる実の出来や次の年になる実の出来を決定する果樹作りには欠かすことのできない重要な枝切り作業です。健康な実は健康な木から、がモットーの奈良崎さんは健康な木を作るためには、その年に実をつけて、数万円相当になるであろう枝を惜しみなく切ってしまうのです。 朝から夕方まで、2回の休憩と1回の昼休みをはさんで働きます。僕はひそかに10時と3時にやってくる休憩の時間を心待ちにしていました。というのも、この時間に食べる真っ赤なリンゴが最高にうまいから。一面の雪景色でも上に太陽があれば暑いし、働けば喉も乾きます。そんなときに食べる奈良崎さんのリンゴが格別なのです。なんとも贅沢な一瞬なのです。そんなある日の休憩時間に僕はこの世に生を受けて以来味わったこともない衝撃に襲われました。あれにはまったくやられましたね。右手にずっしりと重いのに、それでいてまだ小ぶりなほうだという、シルバーベルと名づけられたその果実はまさに見事というしかありません。そのうまさをあらわすには僕の言葉では足りないでしょう。自分の文才のなさを嘆きたくなるほどです。言い過ぎですかね?でも本当にそれぐらい僕は感動してしまったのです。
集められた枝に休む
右 浩也さん 左 園主 
 晴れた日には蔵王や月山が見える畑はこの世のものとは思えない静寂に包まれていて、聞こえるのは剪定ばさみの音と雪の上を歩く音、そして川の流れる音だけです。風もあまり吹きません。時々やってくる風はまるで目に見えるようで、向こうの杉林のかなたからひとかたまりの空気が飛んできてあっちのリンゴの木を揺らし、そこのシルバーベルの木を揺らし、僕を通り抜けて、かなたの雑木林をゆすって飛んでいってしまうのです。どこからともなくではなく、はっきりと描かれた線の上を翔け抜けていくのです。3月のはじめには、まだまだとける気配さえ見せなかった雪景色も、3月末になると緑色の世界となって、春の到来を感じずにはいられなくなります。
 こんな風に自然を肌で感じながらお手伝いをし、1日の作業が終わって家に帰ると、おばあちゃんと猫のみみが温かく迎えてくれました。すぐに夕食のしたくをしてくれて、一緒にご飯を食べます。東北の米がうまいのか、ここの水がうまいのか、白いご飯がこれまたうまい。白飯をおかずにご飯を食べるとでもいいましょうか、どんどんいけてしまうのです。おかげでぷくぷくと太ってしまい、あとが大変でした。ここのご飯を食べるときは十分注意したほうがいいでしょう。 
 奈良崎さんの休日は月曜日に来ます。ほかの人が休む日曜日に働いて、月曜日にほかの人が働いているのを横目に優越を味わっているようです。そんなある晴れ た休日に、二人で畑や山に写真を撮りに出かけ、春を見つけては撮り、場所を点々とし、昼過ぎに奈良崎さんの友人で写真家の姉崎さんの家に立ち寄らせてもらいました。姉崎さんは春休みや夏休みに全国から子供を集めて自然教室を開いています。僕もその教室に1日だけ参加をさせていただきました。小学2年生から中学2年生くらいまでの子供がいて、そのうちの何人かとも知り合うことができたし、全国からくる18歳から40歳くらいまでの「リーダー」の人たちとも知り合うことができました。ほんの数時間の参加ではあったけど、これもまた貴重な体験をさせていただき、出会いの大切さ、面白さ、うれしさを再発見することができました。 …とこんな風に1ヶ月間をここにつづってもつづれきれないまだもっとたくさんの出来事や出会い、体験がありましたが、どれもこれも新鮮で興味深く、出会うことのできたどの人もすばらしく、親切な人ばかりで、また、今までであったことのない種類の大人を見ることもできました。
家族と 
 あれから早くも1年が経ちますが、あの滞在で体験したことが今の僕にどれほどの影響を与えていることでしょう。1年たってもきっと奈良崎さん一家はいつもと変わらない生活を送っているのでしょうが、僕はあの滞在で今までに欠けていた何かを発見し、または与えられ、以前とは違った心を持って生活できていると思います。これから生きていく上でもとても大切な1ヶ月となるでしょう。社会に出て、今よりいくらか金持ちになったら、ぜひ帰りたい場所になりました。本当に感謝しています。ありがとうございました。
 こんなに誉めていただいてとっても恥ずかしいですけどありがとうこざいます。自然は見えもはらず、そのまんま自然体です。広く豊かで優しいそして厳しい真の生き方を隠さず教えてくれる師匠です。私達は素直に感じとり学ぶだけです。また、気の向いたときいつでもいらっしゃい。澄んだ空気のなかでシンプルな話しをいっぱいしましょう。

平成9年10月15日着便 東京 N.はるこさん

 やっばり収穫は秋ですね。奈良崎さんのお宅にはよくおじやましていますがそのつど、ものではないいろいろな収穫ができるのでいつも収獲だーと思っていたけれど、実りのある収穫はとても手応えのあるものでウキウキでした。
 私が初めて奈良崎さんのおうちへおじゃましたのは春先まだ雪が多く残っているころでした.畑で剪定していた奈良崎さんはわざわざ山からおりてきてお話をしてくれました。一目見たときサングラスをかけていたので「おっ、こわそう」と思ってしまいましたが大きなカンちがいでした。ハハハ。
 そのとき初めて奈良崎さんの自然に対する考え方、感じ方を少しきかせていただいて私はその意表ついた考え方に大きな衝撃を受けました。そして私の今までもっていた考え方とはまったく違うものに対して「そーいうかんがえかたもあるんだ」とまた一つ新しい世界がひらけて、視野がせまかった私も少し幅の広いものの見方をすることができた気がしました。気がしたというのは聞いていてうなずくことと、実際自分が自然の多い所で生活し肌でいろんなことを感じたものというのは説得力がちがう!と思ったからです。つまり、もっと私も多くの体験をして私なりの信念のようなものをもってから本当に納得がいくのではないかと思うのです。  また、奈良崎さんはいろんなこと(木一本一本、山一つなどなど)をよく見ていて、するどい,観察力というか考察力というかすばらしい力のもちぬしでそこがまたとてもステキだと思っています。
 そんなステキな園主の奈良崎さんとステキなご家族がいるおいしいくだもの園はとてもたのしいのです。人それぞれの楽しみ方があるこのうまいくだもの園ファームステイは大好きです。(ステキなご家族についてはまたゆっくりかかせていただきます。)